甲子温泉旅館大黒屋

湯小屋は谷底の渓流沿いに建っていた。自然の岩盤を湯ぶねにし、その上に木組をのせた荒けずりでとてつもなく大きな風呂だった。
それがまた山のいで湯の落着きと味を出しているのだから不思議である。
渓谷の上を見上げると白河藩主、松平定信公がしばしば泊まられた勝花亭の屋根に山ザクラが散っていた。
湯ぶねの真中にどっしりと腰をすえた「子宝石」は黒びかりがするほど光っている。
「どういうわけか、うちの湯は頭痛と肩こりによく効んです。
むちうちの人が一週間滞在しているとなおるし、口を聞かないノイローゼの若者が、三日もたつとふざけ出すんです。」
主人は自信ありげに湯の効能をしゃべっていたが、東大の神経科の先生が紹介するほどだそうだ。
平成20年の秋、国道289号線が会津方面に開通したのを機に、宿泊棟を新築し通年営業となった。
阿武隈川源流の冬景色も見物、しんしんと静かに雪降る名湯を楽しめるようになった。

基本情報

都道府県
福島
温泉名
甲子温泉
施設名
旅館大黒屋
住所
〒961-8071 福島県西白河郡西郷村真船字寺平1
電話
0248-36-2301
営業期間
通年営業

アクセス

車でのアクセス
東北自動車道白河ICより30分
電車でのアクセス
JR東北新幹線新白河駅下車、東口から14時00分発、16時00分発送迎バスあり(要予約)。
交通情報備考
宿帰りバス時間

(旅館10:00出発→新白河駅10:40着)

予約について

ご予約は秘湯Webより