龍神温泉下御殿
龍神の湯は、日本三美人湯の一つと言われている。なるほど、2、3回湯につかると肌がすべすべしてきた。土地の女性は化粧下のクリームなどいらないという。湯はナトリウム・炭酸水素塩泉で、下御殿の湯ぶねは檜張りだった。有吉佐和子もこの湯にひたりながら、「日高川」に登場する龍神に育った知世子の白い肌を連想したのだろうか。浴室の窓の下には日高川の渓流が美しく流れている。緑の自然が身も心も包んでくれるような環境である。
この温泉は、紀州藩主徳川頼宜公が藩費で下御殿、上御殿を建て、静養のために杖をひいたという。当主は27代目の湯守りである。
中里介山がこの地を訪ねたのは大正5年のことである。山奥の龍神を「大菩薩峠」に登場させ、机竜之介の爆薬で傷ついた目をこの温泉でなおした項を書くためである。
竜神スカイラインを走れば、護摩壇から高野山は目と鼻の先であった。
基本情報
- 都道府県
- 和歌山
- 温泉名
- 龍神温泉
- 施設名
- 下御殿
- 住所
- 〒645-0525 和歌山県田辺市龍神村龍神38
- 電話
- 0739-79-0007
- 営業期間
- 通年営業
アクセス
- 車でのアクセス
- 阪和自動車道有田ICから国道424号、371号線経由約80分。
- 電車でのアクセス
- JR紀勢本線紀伊田辺駅下車、龍神温泉行きバス40分。